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キーボードを少しだけ趣のあるものに買い替えました。
打鍵感も音も最高。
ただ、厚みがあってそのまま使うと毎日のパソコン作業、ふと手首の付け根あたりにじわじわとした疲労感や重みが。
ぼくは自宅のデスクに向かう時間が長くなればなるほど、手首の置き場所にずっと頭を悩ませていました。
市販のパームレストは最初は検討せず、まずは形から試してみようとこんな感じで。

SPF材の端材をパームレスト代わりにしてみました。
意外とこれでも行けそうだ。
一度はそう思ったぼくですが、やはり「毎日触れるものだからこそ、大好きな木を使って自分の手にしっくり馴染むものを手作りしてしまおう」

そう思い立ってホームセンターへと向かい、じっくり吟味して選んだのが栗の無垢一枚板」でした。
栗の木は力強く力強い木目が美しく、水気や摩耗にも強いという優れた耐久性を持っています。
そして何より、使い込んで年月が経つほどに深みのある渋い色合いへと変化していく経年変化(エイジング)が大きな魅力。
今回は、この栗の無垢材を自分のキーボードサイズに合わせて切り出し、手首をやさしく包み込んで支えてくれる極上のパームレストを自作したプロセスを詳しくご紹介します。
木工DIYが初めての方でも安心して取り組めるよう、必要な材料と揃えておきたい道具をわかりやすく一覧表にまとめました。
ホームセンターやネットショップで手に入る身近なものばかりです。
| 材料名 | サイズ目安 | 数量 | 備考・選定のポイント |
|---|---|---|---|
| 栗の無垢一枚板 | 厚み20〜25mm × 幅400mm前後 | 1枚 | 愛用しているキーボードの横幅と高さに合わせて選定します。反りのない平らな板を選びましょう。 |
| サンドペーパー(紙やすり) | #120 / #240 / #400 | 各1枚 | 粗い番手から順番に目を変えて研磨していきます。耐水ペーパーでも代用可能です。 |
| ワトコオイル(オイル塗料) | — | 少量 | 今回は木の自然な風合いを生かせる「ナチュラル」を選択。亜麻仁油ベースのオイルフィニッシュに最適です。 |
| 滑り止めシート / ゴム脚 | 裏面に収まるサイズ | 数枚(1シート) | タイピング時のズレ防止と、デスク面の保護のために使用します。フェルトや薄型ゴムクッションがおすすめ。 |
| 道具名 | 用途 | 作業のコツ・補足 |
|---|---|---|
| 鋸(のこぎり) | 一枚板を好みの長さにカットする | ガイド定規を併用するとまっすぐ切れます。電動丸のこやジグソーがあればさらにスムーズです。 |
| かんな または サンダー | 手首が当たる角(めん)を削り落とす | 手前側の角をなだらかに傾斜させるために使用。紙やすりだけでも根気よく削れば代用可能です。 |
| ウエス(柔らかい布切れ) | オイル塗布および余分な塗料の拭き取り | 着古した綿100%のTシャツやウエスが最適。毛羽立ちの少ない布を選びましょう。 |
| さしがね(L字定規)&鉛筆 | カット位置や傾斜ラインの墨付け(印つけ) | 正確な直角を出すために必須です。シャーペンや細身の鉛筆を用意します。 |

準備が整ったら、いよいよ作業に入ります。
特別な木工設備がなくても、ひとつひとつの工程を丁寧に進めれば、半日ほどで美しい仕上げのパームレストが完成します。

まずは普段お使いのキーボード(メカニカルキーボード、HHKB、セパレートタイプなど)の横幅と前方の高さを計測します。
ぼくの場合、キーボードの横幅にピッタリとは合わせず、単体での存在感は持ちつつ、ミニマルなデザインも追求して少しだけコンパクトに。
厚みはキーボードの±10mmが許容範囲とのことなので板厚は少しだけ低い15mmのものに。
手首をゆったりと預けるための奥行きは、10cm前後(8〜10cm)確保するとタイピング時に手首が安定しやすくなります。
さしがねを使って、栗の板の上に鉛筆で正確なカット線を引いていきましょう。
墨付けした線に沿って、のこぎりで丁寧に板を切断していきます。
切り口のわずかな歪みや毛羽立ちは、後のサンディング工程でキレイに整えることができるため、ラインのわずかに外側を狙って焦らずまっすぐ刃を進めるのがコツです。
電動丸のこや電動サンダーなどの電動工具をお持ちであれば作業時間は大幅に短縮できますが、手作業ののこぎりでも栗の木特有の心地よい歯ごたえを楽しみながらカットできます。

こんなイメージです。
パームレスト作りにおいて、最も重要と言っても過言ではないのがこの工程です。
キーボードに向かって手首を置いたとき、角が直角のままだと皮膚に食い込んで痛みの原因になってしまいます。

手首が当たる手前側の角を中心に、かんなやオービタルサンダーを使って大きめに斜めに削り落とします(緩やかな傾斜をつけるイメージです)。
削り進めながら、時々実際に手首を乗せてみて、「あ、気持ちいいな」と感じるアール(丸み)になるまで微調整を繰り返しましょう。

結構サンダーだと焼けやすいので注意。
ぼくも焼けてます。

形が整ったら、表面を触り心地の良い極上のなめらかさへと仕上げていきます。
サンドペーパーは必ず番手の粗いものから順番に使っていきます。
面倒に感じて番手を途中で飛ばしてしまうと、オイルを塗ったときに表面の細かいキズが浮き出てしまいます。
1歩ずつ丁寧に研磨を重ねるのが、プロっぽい仕上がりを実現する隠れた近道です。
ここ最重要な工程です!

研磨が終わったら、表面に残った微細な木くずや粉塵をウエスや固く絞った濡れ雑巾で完全に拭き取ります。
次に、ワトコオイル(ナチュラル)をウエスに適量含ませ、木目に沿ってすり込むように薄く塗り広げていきましょう。
塗布後20〜30分ほど放置してオイルを木材内部までじっくり浸透させた後、表面に残った余分なオイルを乾いたきれいなウエスでしっかりと拭き取ります。
風通しの良い日陰で十分に乾燥させます。
オイルが完全に乾いたら(丸1日ほど乾燥させると匂いも落ち着きます)、裏面に滑り止めシートや薄型のゴムクッションを貼り付けます。
これがあることで、激しいタイピングでもパームレストがデスク上を滑って動くことがなくなり、大切なデスク天板へのキズ防止にも繋がります。
これで、世界にひとつだけの栗の木パームレストの完成!

この記事もまさにこのキーボードとパームレストを使って打ち込んでいますが、めっちゃくちゃ快感!
いわゆるコトコト系キーボードで打鍵音がすごく聴き心地よき。
入力デバイスのアップデートは、日々の作業や生活をやはり良くしてくれますね。

今回のパームレストDIYにおけるポイントを3つ紹介します。
角が少しでも立っていると、数時間のデスクワークで手首に負担がかかります。
指でなぞったときに引っかかりが一切なく、しっとりと手になじむまで丁寧に面取りを行いましょう。
ツヤを出そうとして一度に塗料をたっぷり塗りすぎると、乾燥に時間がかかるだけでなくベタつきの原因になります。
「薄く塗って、しっかり拭き取る」工程を守ることで、木の通気性を損なわずにしっとりとした上品なオイルフィニッシュに仕上がります。
自然素材である無垢の一枚板は、部屋の湿度や乾燥状態によって微細な反りが発生している場合があります。
資材館などで購入する際は、平らな定規や定盤の上に板を置き、カタカタとガタつきがないか事前に確認しておくと安心です。

栗の無垢一枚板を使ったパームレスト作り。
一見するとハードルが高そうに思えるかもしれませんが、本質的には「切って、削って、磨いて、オイルを塗る」というシンプルな工程の積み重ねです。
特別な木工テクニックがなくても、半日ほどの時間をかければ誰でも素晴らしい形に仕上げることができます。
そして何より、自分の手の大きさやキーボードの高さ、好みの傾斜角度に合わせてジャストサイズで作れることこそが、手作りDIYならではの最高の贅沢だと感じます。
木の優しい温もりとオイルの穏やかな質感に手首を預けるようになってから、毎日のパソコン作業や執筆時間がどこかほっとする心地よいひとときに変わりました。
そしてメカニカルキーボードのコトコトした打鍵感…
たまらんわ。
デスク環境を整えたいと思っている方は、まずはホームセンターの端材コーナーで小さな木切れを手に入れ、角をやすりで丸めてみる練習から始めてみませんか。
きっと誰かに自慢したくなるような、特別な愛着が湧いてくるはずです。
では、じゃばら。