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むく太郎です。
脱いだ上着の定位置が、いつのまにかソファの背もたれになっていたある日。
ようやく思い立って市販のハンガーラックも探したのですが、どれもパイプが銀色に光っていて、部屋の雰囲気から浮いてしまう。
それならいっそ作ってしまおうと、ホームセンターで買えるSPF材だけでハンガーラックをDIYしてみました。


まずは完成形から。
脚を斜めに構えた、少しだけクセのあるフォルム。
使い込んだような色ムラを出したかったので、仕上げでエイジング加工を入れています。
こういうものこそ、DIYだからつくれる。
いや、DIYでしかつくれない、と言ったほうが近いかもしれません。
| 材料 | サイズ | 数量 | 価格の目安(2026年8月・税込) |
|---|---|---|---|
| 2×4材(SPF材) | 6フィート/約1820mm | 4本 | 1本550円前後 |
| 1×4材(SPF材) | 6フィート/約1820mm | 2本 | 1本350〜530円 |
| 木工用ボンド | — | 適量 | — |
| コーススレッド(木ねじ) | 25mm・51mm | 適宜 | 下穴を開けてから使用 |
| ワトコオイル | W-12 ミディアムウォルナット | 200mL〜 | 現行の品番はW-12 |
木材だけなら、合計でおよそ3,000円前後。
一台の家具の材料費としては、かなり気楽な部類だと思います。
| 道具 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| ノコギリ | 木材のカット | 長い斜め切りは店のカットサービスが確実 |
| スケール・さしがね・鉛筆 | 採寸と墨付け | 仕上がりの精度はここで決まる |
| 水平器 | 組み立て時の確認 | スマホのアプリでも代用できます |
| インパクトドライバー | ビス留め | ドライバービット+下穴用の錐(2mm) |
| 電動ジグソー | 曲線のカット | バーの造作に使用 |
| サンドペーパー | 仕上げ | #60/#240/#320 |
| 手袋 | 手の保護 | 軍手はすべるのでおすすめしません |
| 汚れてもよい服・不要な布 | 保護と拭き取り | 動きやすさを優先して |
インパクトやジグソーを持っていない場合は、レンタルという手もあります。
カインズは会員カードの提示で1泊2日の工具レンタルが無料、コーナンには購入した材料を持ち込んで作業できる無料の工作スペースがあります。
最初の一台を試すなら、買わずに借りるほうが身軽な場合もありますよね。

服装と手袋の準備し、作業に入ります。
今回の主役は、ホームセンターの定番であるSPF材。
安価で扱いやすく、家具から内装材、屋外のウッドデッキまで幅広く使われている、規格の決まった木材です。
ただし反りや個体差が出やすいので、できれば店頭で1本ずつ見て選んでください。

茶色の部分が、実際に使う部分です。
しっかり寸法を測り、正確な墨付け(木材に切る線を引くこと)をしておきましょう。
長さのある斜め切りは、ノコギリではなかなか骨が折れる作業。
こういうカットこそホームセンターにお願いすると、まっすぐ正確に切ってもらえます。
同じものを4本切り出します。
ぼくはスライド丸のこという工具を活用しています。


こちらはハンガーを掛けるバーの木取り図。
曲線を切るのに向いた電動ジグソーで、1×4材をこの形にカットしました。
バーはハンガーが掛かる形状であれば、どんな形でも構いません。
ここはお好みで。

切り出した2×4材を、対になるように合わせます。
貼り合わせる面に木工用ボンドを塗って接着し、そのあと51mmのコーススレッドで2本をつなぐように固定(矢印部分)
ビスどうしがぶつからないよう、位置を少しずらすのがコツです。
ボンドが十分に乾いたら、1×4材を90mm幅の正方形に切り、写真のようにコーススレッドで留めます。
位置は、縦の端が合わせた中心、横の端が合わせた木材の面とそろう場所(赤丸部分)。
これでハンガーラックの脚が1組できあがりです。
同じものを、もう1組。

このパーツはそれなりに重く、サイズも大きめです。
作業中は安全の確認を忘れずに。
慣れないうちは、2人以上で進めたほうが効率も安全性も上がります。

続いて、できあがった二組の脚をつなぐ作業です。
連結には1×4材を使います。
幅は好みで自由に決められるので、置く場所の寸法をよく確かめておきましょう。
ぼくは880mmにカットした1×4材を、下端から250mm上の位置に前後2枚取り付けました。
ここまでくると、ガシッと安定します。
完成のイメージも、だいぶ膨らんできました。

冒頭のイメージ図を参考に、1×4材をカットしてオリジナルのバーをDIY。
ジグソーでこのような感じで切り出しました。

さて、強度はどうでしょうか。
結構華奢にみえるけど、問題ありませんでした。
バーに関しては、細くて強度のある丸棒などでも良いと思います。

脚に固定した板をあえて斜めに配置したのは、バーをこんなふうに取り付けたかったから。
離れて見ると、これが結構オシャレなんです。
固定した下側に、2カ所コーススレッドで留めます。
こういう仕掛けを考えるのが、ぼくは大好きで。
同じ要領で反対側にもバーを足す、なんてのも面白そう。

組み立ては完成。
あとは塗装と仕上げです。
つくったもののクオリティーを決める大事な工程です。

横にしてみました。
2×4材は意外とササクレやキズ、節があって、そのままだとちょっとキケン。
ぼくが買った木材はなおさらでした。
少し程度が悪かったようですね。
でも、キズだらけのこんな木材だって、しっかりヤスリを掛ければアジに変わります。
サンドペーパーホルダーに粗目(#60)のサンドペーパーをセットし、丹念にゴシゴシ。
ちょっとしたツールが、DIYの作業効率を格段に上げてくれますからね。
このヤスリ掛けを省くと、塗料が塗りにくかったり、ハケが傷む原因にもなります。
塗装前には必須の作業です。
磨いてみると、木材に柔らかみが出てきているのが分かると思います。
先端や角の部分はバリが出やすいので、そこは念入りに。
安い材料こそ、こうした処理を丁寧におこなうことで完成度に差が出ます。

今回は使い古したアンティーク風をイメージしているので、ここからさらに木材にキズを付けていきます。
ハンマーやカッターで、いわゆる「エイジング加工」を施す。
こうしておくと塗装のときに色味の濃淡が変化して、本物のアンティーク品に近い質感が得られます。
終わったら、#240くらいのサンドペーパーでならしましょう。
シントーのノコヤスリなんか便利ですよ。

木粉を不要な布でしっかり拭き取ったら、最後の工程、塗装です。
今回はDIY愛好者にもとりわけ人気の高い「ワトコオイル」で仕上げます。
カラーはミディアムウォルナット。
現在の品番はW-12で、200mL・1L・3.6Lなどから選べます。
ハケで全体をまんべんなく塗っていきましょう。
塗装のセオリーとして、塗りにくい部分から先に塗るというものがあります。
テーブルや椅子ならひっくり返して裏側から、といった具合に。
今回は形もシンプルで塗る面も多くないので、脚から塗っていきました。

付けたキズにオイルが染みて、いいアジが出てきました。
全体を塗り終えたら、余分なオイルを拭き取ります。
1回目が乾いたら#320くらいの目の細かいサンドペーパーで全体をならし、もう一度オイルを塗り込む。
これで毛羽立ちも抑えられます。

ひとつだけ、忘れないでほしいことがあります。
オイルを拭き取った布はそのまま放置すると自然に発熱して発火することがあるので、必ず水に浸してから処分してください。
オイル仕上げでいちばん気をつけたいのは、じつはここです。

材料費3,000円ほどの木材が、セレクトショップの什器のような一台になりました。
既製品では出せない寸法と表情。
毎朝それが目に入るというのは、思っていた以上に気分のいいものです。

色合いとエイジング加工で付けた打痕もとてもいい感じ。

つくってみたい、と少しでも思ったなら。
まずはホームセンターで2×4材を1本、手に取ってみてください。
そこからが始まりです。
ぼくは、掛ける服を買うことから始めます。
では、じゃばら。