どうも、むく太郎です!
目の前に起こる全てのでき事、もし自分でコントロールできたら、どれだけ素晴らしいでしょうか。
もちろん、起こるでき事は「事実」です。例えば、誰かの言動に対して。
感情はいくらでもつけることはできます。
「怒る」のか、それとも「受け入れる」のか。
感情をつけるのは、いつも自分自身ですよね。
今回の書籍は、そんな大切な事を腑に落としてくれるものでした。
「自分が源泉」 著:鈴木博 出版元:創元社
こちらは、シナジースペース株式会社代表の鈴木博さんが2008年に出版した書籍です。
すぐ実践できて、多くの悩みを一気に解決してしまうほどの威力がこの本には有るのかもしれません。
書評の前に作者について
鈴木博さんは、ヒューマニスティックサイコロジー、哲学、経営、その実践的人間探求の中から30年間3万人を超える研修参加者、経営者の成長と突破に貢献。「自分が源泉」のあり方をベースにした教育訓練を実施。日本におけるヒューマングロウス(人間成長)トレーニングの代表的指導者。
1,000社を越える経営者やビジネスリーダーを対象にこの「自分が源泉」という考え方を広めています。
では、ぼくが感じたことをまとめていきたいと思います。
起こる全てを「自分が作り出している」という立場をとる
この自分が源泉という考え方は、起こること全てを「自分が作り出している」と捉えることだと冒頭から著者の言葉。
例えば、ちょっとした夫婦喧嘩でも、
相手が怒っている▶相手を怒らせている=それだけの妻(夫)に対して影響力がある
こう考えることで、怒りはすっと収まってきます。
(ぼく自身、激しい夫婦喧嘩をしていましたが、この自分が源泉という考え方になってからとても穏やかに過ごせています)
コツは、「感情を完了させる」こと
とは言っても、はじめはなかなか自分で感情を処理できないことも有るかと思います。
これは感情を「未完了」のままにしている状態。
未完了とは、すでに起こってしまったことや生じてしまった感情や思いに囚われて、コントロールされてしまっていること。
先ほど書いたように、相手が怒っているという気持ちを受け取った自分はとにかく受け入れ、「完了させる」
完了させないと、いつまでもその「怒らせた」という過去の事象に対して、一人で戦っているのと同じ状態ということですから。
大事なのは、でき事や結果ではなく、それをどのように捉えるかっていう意識です。
対処が必要なものは、しっかりと処置する
自分の感情、やはりないがしろにはできません。
例えば、「嫌い」という感情に対しては、「自分は、~が~で嫌いです」としっかり相手に伝えることも大事なこと。
逆に、受け入れられるものはそのままにして、「対処」が必要な感情はしっかりケアする。
これをクリアリングと言うそうです。
事実に対して、どう向き合うことができるか。
修行ですねぇ。
インテグリティ(存在理由)
第三章では、「インテグリティ」ということばが出てきます。
意味はこちら。
Integrity=誠実さ
と訳されますが、本書では個人や企業が使命を誠実に果たすこと。
すなわち、「存在理由」をしっかりと持つことだと書かれています。
何のために会社があるのか、この事業を経営しているのか、なぜこの人と一緒に生活をするのか。
ビジネスも私生活にもこの「何のために」というのが存在します。
ただ非常に見え隠れしやすい性質で、時に分かりづらくなってしまうもの。
だから自分が源泉なんでしょうね。
例として、マザー・テレサの言葉が引用されています。
あなたの中の最良のものを
マザー・テレサ人は不合理、非論理、利己的です。
気にすることなく人を愛しなさいあなたが善を行うと、
利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう
気にすることなく、善を行いなさい目的を達しようとするとき、
邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなく、やり遂げなさい善い行いをしても、
おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさいあなたの正直さと誠実さが、あなたを傷つけるでしょう
気にすることなく正直で、誠実であり続けなさいあなたが作り上げたものが、壊されるでしょう
気にすることなく、作り続けなさい助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく、助け続けなさいあなたの中の最良のものを、世に与えなさい
けり返されるかもしれません
でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい(『本当のクリスマス』ドン・ボスコ社 p.23~27,33 より)
一見、なぜマザー・テレサの言葉につながるのかと考えながら読みすすめましたが、この言葉できちんと腑に落ちました。
Integrityを生きるとは「完了」を生きることから始まります。
「自分が源泉」で自分の中に生じる感情や反応を完了することによって、自分で自分のインテグリティと接点を持つことから始まるのです。
ビジネスシーンや日々の生活に置き換えると、
お客様に対して会社は、「どう有るべきか」、家族・部下・取引先に対して「どう有るべきか」
反応や状況は、二の次です。
存在理由を明確にすることは、周りにどう言われようと気にしない強い軸を作ります。
まず、根本的にどうなのかを意識して、これから生きていきたいと思いました。
This is the oneの法則
最終第4章では、結果に対し責任を伴う目標宣言「コミットメント」について書かれています。
今現実としてここにある「仕事・家族・上司・部下・仲間」に対して、
コミットメントを創作して、「自分が源泉」の立場で関わりを持つ。
まさにビジネスリーダーには、必要不可欠なものです。
コミットメントを作れるかどうか。そこに資質が問われているんだなぁと強く感じました。
他者からの期待など環境による「やる理由」になると、その期待がなくなってしまったとか周りから薄れてしまった場合、それ自体が「やめる理由」になってしまいます。
自分が源泉となって、物事に対し、コミットメントしていく。
今のぼくは、できているのだろうか。
まだまだだなぁ。
直面している事実と向き合うことに恐れを感じないよう、メンタルトレーニングが必要です。
まとめ:「すべては自分が創り出している」
今回の「自分が源泉」、一読して思ったことを書いてきました。
ひとこと言うと、「深い」
深すぎる。まだまだ読みが浅い気がしています。
実は、この本。
都度読み返すことで、また違う味わいが楽しめる、まさにスルメ本という声も聞いています。
そこにある物事に感情をつけているのは、いつも自分。他の誰でもない。
これに気がつけただけでも、書籍代以上の価値があります。
また、いい本に出会えました。
また涼しくなるころ、腰を据えて熟読してみたいと思います!
おすすめです!
ではじゃばら~!