むく太郎です。目を離したすきに。やられました。
5月終盤。もうじきやってくる雨と湿度と高気温の日々。
連れのふとした一言。
「店の営業日と営業時間を変更しようかと考えてるんだけど。どう思う?理由は~で・・・」
何気に「えっ」と考えてしまったけど、そういえばお連れさまは、個人事業主。
組織に属する「サラリーマン」のぼくではこんな事、辞めない限りおそらく一生言う事は無いであろう発言にちょっとだけ差というかやっぱり考え方も違うんだなぁ。と考えてしまった。
ぼくが今日言いたいのは、フリーランスで自由に稼ぎたいなんて思いながらお勤めであるなら、まずしっかり目の前の仕事をこなし、会社の利益を出すことに貢献した方がいいと思うよっていう話。今日もそんなわけで小さな部屋の隅から綴っています。
組織人とフリーランス。パートナーとの喧嘩は絶えない。
いきなりですが、個人的な余談です。若干愚痴も入ってしまうかも。
もう本当にああいえばこういう状態。どちらも曲げません。
例えば口論テーマは「仕事のミス」。
ぼくも普段は組織人。どうしてもサラリーマンならではの「こういう時はこう対処」みたいな定型を押し付けてしまいます。
一方、自分ですべてをこなす連れ。
「誰がやるの?」「時間が掛かりすすぎ」「予算出して」とフリーの真っ当な意見に「確かに」思いつつ、ぼくも譲りません。なんでこうなるのか。
熱くならずにやり過ごしたいもんですが、きっと常に置かれている場面が違うからなんでしょうね。
お互い環境同じなら似た解決策が思い浮かぶのか、というのは疑問ですが。
個人と組織でできることの違い。
様々な定義や人によって環境が違うので、全てそうとは言い切れませんがフリーランスとサラリーマンではざっとこんな違いがありますね。
- やった分だけ発生する成果報酬と毎月決まってもらえる(定額に近い)給与
- 勤務時間や仕事内容の変動が多い自営業者と一定の労働時間と休憩がある会社員
- 自分で決めるか誰かに管理されるか。
実はぼくが今回言いたいのは、サラリーマンであることのメリット。
フリーランスになって自分の裁量で仕事をするのは、物凄く、想像以上に過酷。
1.成果分だけの報酬と仕事をした時間でもらえるお給料。
これはまず、最大の違いですね。売れた分だけお金になるのは、個人事業主。
簡単に考えていた時がぼくにもありました。例えば、モノを売る商売。
云うまでもありません。これが売上ですね。超単純です。価値を提供して対価を頂く。
売上が増えれば、増えた分だけ収入になります。でもこの売り上げた1000円には売上につなげるためにこれだけの経費が掛かっているんです。そりゃ大変だって。
図で表してみました。超簡単に書いてますので他にも経営者は考えることたくさん、全て自分で決めて運営しなければならない。
顧客に満足してもらい、儲けを出すこと。これを継続し続けている店や個人はすごい。
原価率が低い、要はコスパの良い経営ができて、且つ拡大していければベストなんでしょう。
変わってサラリーマンの場合。
これだけです。契約時に自分で決めた時給1000円でこの会社で働くという事。
労働時間を提供して会社から決まったお給料を毎月もらっています。
雇用形態はいずれにせよ、会社員はこのタイプです。特に問題を起こさなければ、ある意味安定して仕事ができる。
2.労働時間や内容が日々変わる自営業者と一定の「ヒト」と「労働時間」と「やること」がある会社員
ぼくの連れはパン屋をやっています。普段の店舗での接客業務はもちろん、製造から材料発注、売上集計など事務作業、たまに取材対応まで全てヒトリでこなしています。
今書いただけで5種類もの仕事。
それを自分の裁量で割り振って円滑にこなさなければならないと思うと、会社員、ましてや平社員のぼくはすごく自由でいい身分な感覚に陥っていきます。そう思いません?
会社は組織ですから、各担当部門それぞれに「ヒト」がいて決まった時間で決まった仕事をやるだけでお金がもらえます。大企業ではそれがさらに細分化されていたり。
評価って重要だとつくづく思います。評価制度のある会社がほとんどだと思いますが、やっぱり成果を挙げた分だけ収入もキャリアアップにもつながっていきます。
下図はざっくりな例。
むく太郎株式会社の上期業績は¥10000円でした。
2人の従業員に賞与として原資¥2000円が支払われますが、社長のむく太郎はこう分配しました。
人件費と会社に残るお金は同じでも、従業員1人にとっては大きな差が生まれます。
これが会社組織。嫌でも会社にいるつもりなら組織的な評価を上げた方が得じゃないですか。だから、目の前にある仕事を作業にならないようにしようと書いた以前の記事。
3.自分で全部を決定するか、誰かに管理されるのか。
ここまで来たら、フリーランスとサラリーマンの差というのが嫌でも分かると思います。お金の面、仕事の面。そして最大の違い。
フリーはやりたくない仕事はやらないという選択肢がある。
たまに連れの仕事関連で無理難題を押し付けてくる顧客や取引先を見ます(ほんとにこういうのあるんだぁと思う)。独立したての頃は何でもやろうと意気込んでいて、たまに体を壊したりとぼくも不安になっていました。
しかしながら、ある程度見極める目というのも養われたのかやるかやらないかの判断をしっかりできるようになったみたい。
結局、全てにおいて自分次第なので、ある意味自由に仕事ができるというメリットとやりがいを持って日々励んでいます。
会社員はそうはいきません。嫌な上司に嫌な命令、めんどくさい根回しに人間関係。
そういったことにストレスを感じてしまうのは致し方ないことでしょう。
なぜか。全てが管理されているから。
上司はあなたが嫌いで難しい命令しているわけではありません。そのまた上司に言われ、嫌々指示を出しているのかもしれませんし。
どうしてもこのマイナス面を真に受けて独立志向の若者が(ぼくも若輩者ですが)増えているそう。転職したとしても組織という枠組みに属している限りこれは逃れられないでしょう。
だったらその「管理されているこその強み」を生かした方がいいとぼくは考えます。
見えていない会社組織の恩恵
なぜ最近こんなエントリを書いているのかというと、連れが事業者だという事で学んだこと。それとフリーランス最高という若者の風潮に少しだけ疑問ということ。
そしてぼくの勤め先にある契約社員さんの話にすごく共感したから。
その方の前職、「代表取締役社長」(ここに来た詳細は控えます)
50代半ばでサラリーマンをやるのが今の会社が初めてだそう。物凄く仕事ができて、仕組みまで変えてしまう(周りを巻き込んで実行)くらいの人。
自営業で会社を築いてきた経験上、組織に属して驚いたことはこういったこと。
「なんでやる気ないのに会社に来てる人がこんなにいるの?」
「周りの空気に流されて、正しいことも言えない雰囲気」
たまにこんな愚痴も。
「やる気のないやつと同じ給料では(わかっているけど)報われない」
初め、ぼくももっともらしくお金や生活の為と、上のようなことを問われれば、そう答えていました。
「お金がほしいんだったら、(評価されたいなら)なんでアピールしないんだ。仕事と作業の違いを良く考えてみな。」
この言葉が無かったら、会社員としてもう成長する機会はなかったと思います。
ここからぼくの周辺観察が始まった。
「なんでこの人はこんなに評価されてるのか」と。それが次第に「この仕組みは変えた方がいい」と担当の仕事にも疑念の目は拡大していきました。
気になったことを上司に伝え、改善の機会をもらって、成果を出して評価された。
会社員が見えていない会社の恩恵は、
「会社のお金と名前を借りてチャレンジができる。もし失敗しても、死活問題にはならない」
自分を高めることが会社にいることでお金と看板を借りて実行できるんです。
フリーランスでは考えられない。全て自分で用意しなければいけないから。
そして今、ちょっと大きなプロジェクトをやらしてもらっています。
あれ、すごく楽しい。
少し前まで会社辞めたいとかこのまま何も変わり映えのない日を過ごすのかと考えていたぼくをぶん殴りたい。そしてこう言いたい。
もうちょっと発想変えてみたら?って。
では。じゃばら。