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およそ一年半ぶりに、ポストをつくりました。
テーマはシャビーシック。
使い込まれた質感の、アンティーク風の郵便受けです。

きっかけは、母親からの一本の電話でした。
「ポスト、こわれたから直して」
実家の郵便受けとして使ってもらっていたのは、ぼくがDIYを始めたころにつくったポスト。
本当にこのブログを始めた初期の作品で、工具の使い方も材料の選び方も分からないまま組み上げたものです(正直、今もまだ手探りですが)。
逆に、よく一年半ももったなあと感心していた矢先の出来事でした。
どれどれと実家に行ってみると、こりゃだめだ。
先日の台風の影響で、扉が完全に壊れてしまっていました。
あらためて見ると、ちょっと気恥ずかしい仕上がりでもあります。
それでも、すべてが手作業で、でき上がるたびにうれしかったあの頃の記憶がよみがえってきました。
パタパタ扉を新しい蝶番で留めれば、また使えなくもない。
うーん。
いや、つくりなおしましょう。
前回と同じようにSPF材で。
というわけで今回のDIYは、1×4材でシャビーシックなアンティーク風ポストをつくる、です。
機能性も強度も見た目も、前作より20%増しを目標にします。
では工程に入っていきます。
まずは今回そろえたものから。
特別な材料はほとんど使っていません。
| 材料 | サイズ(目安) | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1×4材(SPF) | 19×89×1820mm(6フィート) | 2本 | 本体・フロント・背板・上蓋 |
| シナベニヤ | 厚さ4mm前後 | 少量 | スライド扉・投函口のフタ |
| 木ダボ | 直径8mm | 20本前後 | 板同士の接合に |
| 木工用ボンド | — | 適量 | 屋外に置くなら耐水タイプが安心 |
| ビス | 25〜32mm | 適量 | 割れ防止に下穴推奨 |
| 蝶番 | 小サイズ | 3個 | 上蓋2個・投函口のフタ1個 |
| 引き出しノブ | — | 1個 | 取り出し口の扉に |
| 水性塗料(白) | — | 少量 | 水で薄めて使う |
| 工作棒(端材) | — | 少量 | 投函口のモール代わり |
| 道具 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| 丸ノコ(または手ノコ) | 木材のカット | ホームセンターのカットサービスでも代用可 |
| ジグソー | 投函口・取り出し口の切り抜き | 曲線と直線の切り抜きに |
| ドリルドライバー | 下穴・ビス留め・ダボ穴あけ | — |
| ダボ錐+ダボマーカー | ダボ継ぎの穴あけと位置出し | 8mm用のセットが扱いやすい |
| トリマー(ストレートビット) | 扉のレール溝を掘る | — |
| バーナー(トーチ) | 表面を焼いて味を出す | 屋外・広い場所で |
| 紙やすり(#120/#240) | 煤落としとエイジング | — |
| 刷毛 | 塗装 | — |
ちなみに当時は、1×4材の6フィートが2本で500円ほどでした。
ただ、木材の価格はここ数年で大きく上がっていて、いまは1本あたり600〜900円あたりが目安です(店舗や時期で変わるので、売り場で確認してみてください)。
それでも、材料費1,500円前後でポストが一台つくれるのは、やっぱりDIYの醍醐味だと思います。

まずは簡単な三面図を描きます。
正面・側面・上面の3方向を紙に描くだけで、必要な木材の本数と長さが見えてきます。
このひと手間が、あとの迷いをごっそり減らしてくれます。

図面をもとに、1×4材を必要な長さに切り分け。
6フィート2本あれば足りる計算です。
カットが不安な方は、ホームセンターのカットサービスに寸法表を渡してしまうのが確実です。

カットした木材を、コの字型につなげていきます。
切り口に木工用ボンドを塗って接着し、乾く前にビスで留めます。
これが郵便受けの大枠になります。

次は、投函口と取り出し口のあるフロント面です。
板を三枚並べ、切り取りたい部分に鉛筆で線を引き、一枚ずつジグソーで抜いていきます。
これが難しい。
久しぶりにジグソーを握ったので、やはり感覚が鈍っていました。
投函口のわずかな歪みは、あとで修正します(ヒェー……)

切り抜いた板を、今度はつなげていきます。
使うのはダボ継ぎです。
別の木材を裏から当ててつなぐ方法も考えましたが、郵便物が入るスペースを考えると、そんな余裕はありませんでした。

やり方はシンプルです。
接続面にダボ穴を開け、ダボマーカーを差し込みます。
そこにつなげる相手の木材をギュッと押しつけると、穴を開けるべき位置に印がつきます。
あとは印に合わせて穴を開け、ボンドを塗った木ダボを差し込んで接合するだけ。
これが意外と強度が出るんです。
コツは、ダボ穴を垂直に開けること。
最近はドリルガイドやダボ用ジグが手頃な価格で手に入るので、まっすぐ開ける自信がない方は使ってみてください。
仕上がりが目に見えて変わります。

フロント面を加工したときに出た端材の出番です。
トリマーにストレートビットを付けて、角を欠き取ります。
なんだと思います?
そう、扉のレールです。
このレールをフロント面の裏側に取り付けると、シナベニヤの扉が気持ちよくスライドしてくれます。

図で表すとこうなります。
ベニヤでつくる取り出し口扉をここに取り付ける予定!

レールは後ろ側に取り付け。
フロントとレール溝にはめたシナベニヤの扉がいい感じにスライド。
扉はまた後ほど!組み立てていきます!

投函口のサイズに合わせて切ったシナベニヤを、フタとして使います。
この蝶番は、前回つくったポストからの流用品。
壊れたものから使える部品を拾い上げるのも、DIYの楽しいところです。

背板もフロント面と同じ、ダボ継ぎでつなげます。
背板・コの字枠・フロント面。
ここまでにつくった3つのパーツを、いよいよガッチャンコします。

投函口のふちには端材の工作棒をモール代わりに取り付けました。
このあたりで、ぐっとポストらしい形になってきます。

工具箱に埋もれていた蝶番を使って、上蓋をつくります。
1×4材を3枚並べ、蝶番でつなぐ形です。

左と中央は接着してあるので、実質2枚+1枚の構成。
これでパタパタ動く上蓋の完成です。

蓋が付いたら、バーニングです(扉は外しておきましょう)。
バーナーでポスト全体を炙っていきます。
なぜ焼くのか。
アンティーク風の質感を出す下準備であると同時に、雨風や虫に強くするためでもあります。
焼きすぎかな、というくらいがちょうどいい。
そのあと紙やすりで煤を落とせばOKです。
火を使う作業なので、安全対策だけはしっかりと。
必ず屋外の広い場所で行い、周囲の燃えやすいものを片付けてから始めてください。
水を張ったバケツを手元に置き、風の強い日は避けること。
作業後は木材がしばらく熱を持つので、完全に冷めたのを確認してから片付けます。
集合住宅のベランダなど、火気が禁止されている場所ではやらないでくださいね。

ホワイトの水性塗料を水で薄めます。
割合は塗料1に対して水1.5くらいがちょうどいい塩梅です。
木材が水をはじいて色がのりにくいときは、塗料を少し足して調整してみてください。

投函口と扉を除いて、全体をムラなく白くしていきます。
きれいに仕上げたいなら、マスキングテープを使うのがおすすめです。

塗料が乾いたら、細かい目のサンドペーパーで擦ります。
擦る場所は、角を中心に、全体をまばらに。
すると、使い込んだようなシャビーな質感が立ち上がってきます。
わざとらしく引っ掻いて下地の焼き色を覗かせるのも良い雰囲気です。
木目の太い部分が浮き上がって、いかにもアンティークな表情になりました。

この技法は『スクラップメイドのインテリア』という本で学びました。
シャビーシックなDIYやリメイクには手放せない一冊ですが、刊行から年数が経っているため、今は中古で探すことになると思います。

レール幅と取り出し口の寸法を測り、カットしたベニヤ板に引き出しノブを取り付けるだけ。
このノブも流用品です。
ノブをひとつ替えるだけで印象がガラッと変わるのが面白いところ。
アクセサリーを選ぶ感覚は、こういうパーツ選びでも大事なのかもしれませんね。

できました。
いい具合にみすぼらしさが出て、風合いはバッチリです。

シュパッ、ストン。
(×15回)
スライド扉はストレスなくスムーズに開閉できます。

上から見ると、3枚並べたSPF材がそれぞれ違う表情を見せてくれました。

上蓋は大きい郵便物もラクに出し入れできる仕様。
A4サイズのパンフレットもすんなり収まります。
まあ、あんまり来ないけどね。

取り出し口の扉をバーニング&塗料をこぼしてアレンジ!
ちょっとポストらしくないかな。笑
こうやってあえて塗料を垂らすのも面白いかも。

SPF材はやわらかく加工しやすい反面、屋外の雨には強くありません。
焼きと塗装で耐候性は上がりますが、それでも限界はあります。
今つくるなら、仕上げに屋外用の水性クリア塗料(トップコート)を薄く一度重ねておくと、持ちがぐっと変わります。
設置場所も、できれば庇の下など、直接雨がかかりにくいところを選んであげてください。
今回もかなりむく太郎流でつくり上げました。
以前と同じ、SPF材をメインに使って。
こうしてつくらせてもらって、使ってくれる親に感謝です。
まずは使い方を説明しなくちゃ。
ポストがなんだか「エヘッ」とやっているように見えた、秋の気配を感じる日曜日でした。
さて、夕飯つくるか。
では、じゃばら。