こんばんは。むく太郎です。
自分の住む町は心地よいですか?
ぼくの住む町は、「益子焼」で有名な栃木県益子町。
近年ではオシャレなカフェやギャラリー、家具店なども増えて観光に訪れる人も年々増えています。しかし、やっぱりここも人口減。
生粋の地元っ子が成長して街の産業や人口減に歯止めを掛けられればベストなのですがなかなかそれも難しいというのが実情という話。
町の広報誌に移住者支援策についての項目があり、読むと結構恩恵があることに気づく。そんなことで今日は全国で実施されている地方制度について、紹介できる数は少ないですが見ていきたいと思います!
ワーク・イン・レジデンス制度
元メジャーリーガーの松井秀喜さんの出身地でもあり、伝統工芸品の「久谷焼」でも有名な石川県能美市が、2013年から実施しているのがこの制度。
「ワーク・イン・レジデンス制度」
その名の通り、能美市に居を移してそこを地盤に活動するクリエイターや起業家を対象に「店舗兼住居の取得・改装」にかかわる費用の助成を行うというもの。
条件が合えば最大150万円が支給されるという地方を拠点に活動しようとする方には大変大きい助成です。
対象職種などは下記に公式HPより引用。
能美市に魅力を感じて移住し、住居等を工房や、カフェ、コミュニティビジネス等創作活動の拠点とし、そのクリエイティブな活動を通して、交流人口の拡大、地域コミュニティに元気を与えてくれる方に、住居等の改修、取得等に係る費用を助成します。
【主な対象職種】
クリエイター、コミュニティビジネス起業者、6次産業起業者、手仕事職人、アーティスト、農家レストラン、カフェ、パン屋の起業者など
九谷焼職人はもちろん、カフェ経営者やクリエイターなど様々な職種の移住者がこの制度を活用しているとのこと。
適用されてから3年の昨年9月までの事例は、合計11件。多いのか少ないのか。
米10俵プロジェクト
岐阜県の飛騨市ではそのネーミングからもユーモラスさがうかがえる制度が!
「お金やご飯が無くても、助け合いで生きていける」という内容の民謡がある飛騨市ならではの移住者支援プログラム。
飛騨市に転入後、3年以内に拠点となる住宅を取得した移住者向けに「飛騨産コシヒカリ」を年間1俵。それを10年間提供しますよというもの。
1俵(60kg)を10年間。だから10俵。なるほどね!
経緯は公式HPより下記引用をご覧ください。
飛騨市古川町には、昔からそこに暮らす住民の気質を表す言葉として「シャバ(娑婆)にあぐんだら古川へ」という言葉があります。この言葉は「都会での生活に疲れたら古川に行ってみなさい」、すなわち、都会で心身ともに疲れた人たちを癒すだけの温かい人情味あふれる住民がこの地域には暮らしているということを表しています。
*1また、飛騨市古川町で古くから唄われる民謡の「ぜんぜのこ(古川音頭)」には、「ゼンゼノコ、マンマノコ」という歌詞があり、一説によればその意味は、ゼンゼノコはお金、マンマノコはご飯を指し「お金や御飯がなくても、お互いの助け合いによって生きていけるのだ、そうした人情があふれているのだ」という意味であると言われています。*2
こうした飛騨市の自慢とも言える助け合いと人情味溢れる気質を市内外に発信することを目的として、移住者世帯を対象に移住後10年間、1年あたり米1俵を支援する「米10俵プロジェクト」を実施します。この取り組みは、地域に根ざす互助の精神と人情豊かな住民の気質を、行政も受け継いで実施するものです。
*1 *2:古川町観光協会監修「古川祭・起し太鼓」より
自然豊かで白壁土蔵が残る趣のある街並みは都会とはまるで違うのでしょう。
育ち盛りの子供を持つ移住者がこの制度に魅力を持ち移住地と決めるのも納得です。
一方、教育にフォーカスした制度を持つ地域がこちら。
山梨県西部に位置する早川町の子育て支援策
日本一人口が少ない町(2016年2月現在:1116人)でもある早川町は、「子どもは地域の宝」という方針をもとに2012年より子育て支援策をスタート。
大胆な施策がこちら。
- 給食費無償(保育所半額)
- 教材費無償
- 出生~義務教育終了時まで医療費補助
などまさに手厚い教育補助の恩恵を受けられる制度が実施されています。
そして、「頑張る若人応援金」という内容があったので公式HPより下記引用。
頑張る若人応援金交付額一覧表
応援金の額 対象となる者 備考 5万円 早川町に住所を有しかつ居住する者で、平成17年4月1日以降に早川中学校に入学し、卒業時まで継続して在籍した者 lO万円 早川町に住所を有しかつ居住する者で、平成19年4月1日以降に早川中学校に入学し、中学校卒業時まで継続して在籍した者 15万円 早川町に住所を有しかつ居住する者で、保育所に入所する場合は町内の保育所に入所し、平成19年4月1日以降に町内の小学校に入学し、早川中学校卒業時まで継続して町内の学校に在籍した者 20万円 早川町に住所を有しかつ居住する者で、平成19年4月2日以降に生まれ、出生時から継続して早川町に住所を有し保育所に入所する場合は町内の保育所に入所し、小学校から早川中学校卒業時まで継続して町内の学校に在籍した者
早川町で育って、地元の活性化に貢献する若者が増えればいつかは、この「日本一」も変わる時が。人口最少の町が教育支援のロールモデルになるかもしれませんね。
山好きに愛される町の「空き店舗活用事業」
アルプスの町として有名な長野県大町市。日本最大級の黒部ダムなどアウトドア観光にも最適なこの町も人口減は進んでいく一途。それに歯止めをかけるべく移住促進対策として実施している制度が「空き店舗活用事業」。
中心部にある空き店舗を改修して、商業施設として開業する事業者に対して費用の助成金が支払われるというもの。
条件によっては最大500万円という額が適用されるみたい。詳細は下記リンク。
この制度を活用したシェアハウスがmetone
移住促進の原動力として北アルプスでの暮らしや魅力を発信しているらしく、移住を考える人と地域の架け橋となっています。こういったスペースって大事ですよね。
最後にここ栃木県は?
ついでといっては何ですが、ここ栃木県もしっかり制度が充実していました!
以前書いたこちらのエントリでもほんのちょと触れた宇都宮ダブルプレイスなど。
移住だけでなく二つの拠点をもつという新しいスタイル。
そろそろ移住してみる?
しっかりコンセプトを持った起業者やクリエイターはたくさんいるはず。
それを実現できるのは案外、こういう田舎家や辺鄙な土地だったりするのかも。
事業者でなくても前述の子育て支援など「暮らす人、ウェルカム」な空気があるのはとてもいい事だし、事実そういう雰囲気に地域が鳴っています。
もし移住を考えているならこういった制度をどんどん活用するべきですね。
そんなぼくは、移住者と楽しく暮らしたい派。(地元で頑張る)
では。じゃばら。